MZU-9 技術仕様書
– MZU-9型 精神情報抽出ユニット:Live-Type(生存者用)
分類:CIRO精神情報管理局 / 認識技術運用課管理下
機密区分:内部専用(Level-4-G)
1. 概要
MZU-9(Mnemonic Zero Unit Type-9 / Live-Type)は、生存中の人間を対象とし、非侵襲的に脳神経活動と記憶発火反応を検出・抽出する専用ユニットです。
対象の同意と倫理審査を前提に、リアルタイムで記憶・感情・認知構造をデジタル化し、ニーモ(MNEMO)として出力します。
2. 装置構成と外観的特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 外形サイズ | 高さ2.3m × 幅2.6m × 奥行2.4m(防音カプセル型) |
| 本体材質 | 電磁遮断構造を持つ医療用複合樹脂+反射制御パネル |
| 設置形状 | カプセル型チェアまたはベッド型ポッド(選択式) |
| 内部照明 | 記憶活性中は微弱なパルス光が脳周辺を照射(記憶反応同期) |
| 装着機器 | ・ニューロバイザー(頭部):多点電極付き透明ヘッドギア |
| ・網膜センサ(両眼):視線反応・瞳孔運動の補足 | |
| ・胸部・指先センサ:心拍・皮膚電位・微細運動を測定 |
3. 適用対象
MZU-9の操作は、隣接したOSC(操作卓)にて遠隔実施されます。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| 波形同期モニタ | 脳波/心拍/呼吸/感情パターンのリアルタイムグラフ表示 |
| 記憶誘導制御 | 想起映像/聴覚刺激/キーワード提示の組み合わせ調整 |
| 汚染リスクアラート | MI(Mental Interference)スコアに応じた自動警告表示 |
| ホロ構造表示 | 記憶連鎖の発火順・感情反応マップを3Dホログラムで出力 |
4. 抽出プロセス概要
1. 初期準備
倫理審査通過後、本人同意書を確認。安定状態で装置内へ誘導。
2. 装着・初期測定
各種センサ装着後、基礎波形(脳・心・眼・皮膚)を基準値化。
3. 記憶誘導開始
視覚/聴覚/言語刺激により、記憶の発火点を探索。
4. 発火検出とスキャン開始
AIが“再体験”をトリガーに、記憶構造を追跡スキャン。
5. 記憶構造出力(ニーモ化)
得られた断片を時間軸/感情軸/空間軸で再構成。
6. セッション終了後、24時間冷却・干渉検査を実施。
5. 技術的特性
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 精度 | 極めて高精度(記憶の“色”=情動タグまで取得) |
| 主観性 | 非常に強い(記憶の誤認・抑圧も反映) |
| 信頼度 | 最大92%(生理反応との同期時) |
| 再現性 | 一部記憶は再誘導不可(強い防衛反応あり) |
| 感情濃度補正 | SNSモジュールにより調整可能(MIリスクとのトレードオフ) |
6. 倫理規定と運用制限
記憶はあくまで“取得”対象であり、“編集・抹消・書換え”は禁止(法規制第18条)
情動誘導の強度が閾値を超える場合、自動的にセッション停止
一部記憶が対象にとって再トラウマ化の恐れがある場合、倫理審査室の判断により封印処理
装置使用後は、被対象者の48時間観察記録の作成が義務付けられる
7. 備考:現場における留意点
共感反応が強い検心官の場合、“共振干渉”が発生するリスクあり(必ず二重監視体制で臨むこと)