検心官制度の概要と任務体系
対象:CIRO-MID 検心課・認識技術運用課・倫理審査室関係者
発行部局:検心課
検心官(Mind Inspector)とは
検心官は、国家戦略技術「MNEMOSYS(ニーモシス)」によって抽出・再構成された記憶構造体“ニーモ(MNEMO)”にアクセスし、その中にある記憶・感情・解釈を解析する精神情報の専門職である。
CIRO精神情報管理局(MID)所属、国家資格「精神情報操作士一級」保持者のみが任命される。
検心官は以下のような任務に従事する:
・犯罪・事故に関わる精神的痕跡の解析
・PTSDや記憶障害患者の記憶再構成支援
・国家機密に該当する精神情報の封印・抹消判断
・未解決事件における記憶交差・虚偽記憶の判定
検心官の階級制度(等級制度)
| 等級 | 通称 | 権限・任務内容概要 |
|---|---|---|
| 第七等級 | 初任官 | 表層記憶(レベル1〜3)の探索に限定。訓練期間修了直後。 |
| 第六等級 | 補任官 | 単独任務が可能。被害者や教育対象のニーモ分析を担当。 |
| 第五等級 | 正任官 | 医療・公安案件を担当。深層記憶(レベル6以上)へのアクセス許可。 |
| 第四等級 | 上官 | 任務報告の承認権限。交差型ニーモの一部にも対応。 |
| 第三等級 | 特官 | 国家機密・改ざん検知・記憶封印の判断を担当。 |
| 第二等級 | 首官 | チーム指揮・複数ニーモの同時解析。 |
| 第一等級 | 特級官 | MID長官直属。記録に残らぬ特命任務担当(存在自体が国家機密)。 |
※第五等級以上は、倫理審査室による定期モニタリング対象。
【参考:MID-TC-0412】
調査対象に対する情報制限
調査開始前に開示される情報は以下に限定される:
年齢層、性別、状態(生存/死亡)
対象区分(容疑者/被害者など)
ミッション目的(キーワード調査、記憶特定 など)
氏名や事件背景などは開示されず、検心官の主観による推測を排除するため「推定排除原則(情報制御規則第6条)」が適用される。
使用技術とアクセス制限
検心官が使用する主装置はMZU-9型 精神情報抽出ユニット(Mnemonic Zero Unit)。
MZU-9L:生存者用(リアルタイム記憶抽出)
MZU-9D:死亡者用(神経構造復元)
抽出されたニーモは階層1〜10に分かれ、アクセスには等級制限がある(階層6以上は第五等級以上のみ)。
法制度・倫理方針
記憶は本人の財産権的価値を有する情報資産
日本国法下では、記憶の改竄・削除は禁止されており、取得・閲覧・封印に限って合法
抽出中に感情共鳴によるMI汚染が発生する可能性があり、精神耐性検査と定期診断が必須
結語
検心官は、国家の記憶を読む「目」であり、心を扱う「刃」である。
ニーモという迷宮を前に、確かな視点と冷静な判断を求められる。
その行動はすべて、記憶の裏にある“真実”を見極めるためにある。
「記憶に残らぬ真実も、国家の柱である。」(CIRO-MID モットー)